革製品は上手にお手入れをしていただくと、十年、何十年とお使いいただけますが、長く使っているとどうしても壊れてくる部分も出てきます。
既製品ですと多少の修理は出来ても、買い替えた方が良かったり、その製品自体が廃盤になっていて修理できなかったりすることがほとんどだと思います。
ですが、グレートスピリッツの製品なら、廃盤で修理できないということはありませんし、糸が切れても同じ穴を使って縫い直し、革がすり切れてしまっても一度解体し、そのパーツを作り直して再度組み立てるなど、全てハンドメイドでお作りしてるからこそ出来る修理が可能です。
グレートスピリッツでは、お客様の製品に対する愛情を受け継ぎ、より長くお使いいただけるよう責任を持ってアフターケアもさせていただきます。
グレートスピリッツの修理は、壊れたところを組み立てられた工程まで分解して、壊れている部分を直す、もしくはパーツを交換して組み立て直すのが基本です。
新品を作る方が職人としては遥かにラクですが、思い出の詰まった手間をかける価値があるものは、喜んで生き返らせていただきます。
くるみ革でコバを包んだ部分が画像のようにすり切れてしまい、完全に中が見えてしまっています。
全てほどいて新しい革で包み直し、同じ穴で全て縫い直します。
同じ穴を使うのは、違う場所に穴を開けることによって強度が落ちるのを防ぐためです。
ファスナーフタ部分、マチとの調和が取れていなかったため、破れてすり切れてしまっています。
型崩れして手で開かないとファスナーが見えない状態です。
フタ部分の革自体を交換。
ただ同じ型では、いずれ同じ修理が発生してしまいます。
中身が入った時に、マチが広がっても破れないように、フタ部分の型を修正しました。
革自体の脂が抜けて、カバン全体に傷が入り、黒かったはずの色は退色して、赤茶の混ざったグレーになってしまっています。
表面の汚れ、仕上げ剤をふき取り、革全体にオイルを補給し、繊維のしなやかさを取り戻し、カバン全体を黒く染め直しました。
最後に染めた色が色落ちするのを防ぎ、傷が目立たなくなる仕上げ加工をして出来上がりです。